LOG IN

裏校

by 宮脇慎也

裏校

私は大学に入学する19の春、原動機付自転車(いわゆる原付)の免許を取りに、試験を受けました。

原付の免許は基本的に試験に受かればいいだけですので、楽なもんです。

しかし、一応の勉強をしたものの、受かる自信は正直ありませんでした。

すると、一緒に受験した友達が「試験前に裏校に行こう」と言いだしたのです。

「裏校? 何それ?」

と聞いた私は「うぶ」でした。

今でもあるかどうかは知りませんが、当時住んでいた名古屋の免許センターの前には、なにやらその日の学科試験に出てくる問題と答えを教えてくれる塾みたいなのがあったのです。

試験前に数千円を払って、映像とテープを聴いて学科試験のシミュレーションをする塾です。

怪しげな場所だった覚えがありますが、なにはともあれそのおかげで試験に通りました。

まあ、その日の学会試験に出てくる問題と答えが、映像と音声で学べるのです。

人によってはそれだけで学科試験に通るでしょうね。

ただ、とても気持ち悪かったです。

堂々と営業をしていたことを考えれば、合法なのでしょう。

でも、「こんなのでいいの?」と思ったあの気持ち悪さは今でも抜けません。

なに一つ理解しなくても受からせてしまう力を、裏校は持っています。

問題と答えをセットで丸暗記させるだけですからね。

いや、それを使って原付免許を手にいれた私がどうこう言える立場でもないのかもしれません。

免許を手に入れるという目的は達成させるのだから、むしろ立派な手法なのかもしれません。

現代風に言えば、結果にコミットするというやつでしょう。(すでに古い?)

裏校的塾

ただ、今、自分で塾を経営していて、

あの気持ち悪さを子ども達に感じさせる塾にはしまい、

そんなことを考えています。

塾で作ったオリジナルのプリントの問題と答えを覚えていると、同じ問題が実際の定期テストで出てくる。

「先生、全く同じ問題が出たよ!」と喜ぶ子ども。

「そうかあ。じゃあ、これで成績アップ間違いなしだな!」とそれを誇りに思う塾講師。

そんな会話が繰り広げられることの気持ち悪さ。

まあ、過去問を寄せ集めて作ったプリントですからね。

その問題と答えを覚えることが、高いレベルの知性を育む塾の姿勢だとはとても思えない。

中学校時代からそんな勉強をして、一体どの大学に行く気なんだい?

ある程度名前の通った大学に行くと言うことは、実技系の学部・学科を除き、知を武器に世の中を渡って行くということです。

長い目で見ると逆効果なんじゃないのかな?

オール4の目安である400点以上くらいなら、そんなものに頼らなくても努力次第で取れるようになる。

3年間オール4あれば、安古市への挑戦権は十分ある。

今取れなくても、継続的に努力すれば、取れるようになる。

そして、そうなった時が上位高校や難関大学への挑戦権を手に入れた時でしょう。

お願いですから、たかだか中学校の定期テストで「過去問をさせてください」と私に要求しないでくださいね。

OTHER SNAPS